
霧島瑞穂『祭夜の契』 |Schön
霧島瑞穂『祭夜の契』|d_647328| 祭りの夜、私は人目を忍ぶように瑞穂と出かけた。周囲に知られることのない、密やかな逢瀬を重ねるたびに、胸の内の不安は肥大し、次第に彼女から距離を置くようになっていた。だが、賑やかな参道で無邪気に微笑む彼女の姿に、今日という日を共にしてよかったと、心からそう思ったのだ。盛大に夜空を彩る花火を背に、私たちは祭りの喧騒から離れていく。人気のない帰り道、ふと隣を見れば、瑞穂の表情は寂しげに曇っていた。次にいつ会えるか分からないという、互いに言葉にしない不安が、重く私たち二人の間に横たわっていた。彼女は何も語らず、ただ暗い顔のまま、今はあまり使われていない神社の階段を静かに登っていく。境内にある古びた小屋の前で立ち止まると、瑞穂は私の顔をじっと見つめ、そしてゆっくりと、その浴衣の裾に手をかけた。次の瞬間、揺らめく提灯の光の中で、彼女は嘲笑うかのように艶然と微笑んだ。私の臆病な心を見透かすかのような、甘く、それでいて残酷な笑み。躊躇する私を置き去りにするように、瑞穂は静かに、しかし大胆に、浴衣の帯を解き始めた。「愚かな人。お咎めを恐れているなら、なぜあの日、私を……。」「もう、あなたは後戻り出来ないのよ?」私は、自分がどれほど愚かであったかを知った。何を恐れていたのか。彼女を愛することに、何をためらう必要があったというのか。彼女の白い肌が月に照らされ、官能的なまでに輝くその姿は、私の中の迷いを全て焼き払うようだった。罪を恐れて怯える私を、彼女は既に罪の深淵へと誘っていたのだ。R-18のイラスト集□収録内容・序章:30枚(他サイトで掲載しているものと同じものです)・本編:260枚・おまけ:100枚(ボツ画像)・約3分のおまけ映像(無音の映像作品となります)・解像度 画像:1752×2560px(動画:512x768px)・ファイル形式:zipファイルに圧縮したjpg画像+mp4動画・AIを使用してイラストの制作を行っています。 ・局部には全てモザイク処理を施しております。・登場している人物は全て架空の人物で成人済みです。