
保健体育の実践授業…相手は隣の席のアノ娘でした。 |シクモト屋
保健体育の実践授業…相手は隣の席のアノ娘でした。|d_564193| 教室では、ほとんど話したことがない。けれど彼女の存在は、ずっと気になっていた。静かで目立たないけれど、ふとした瞬間に感じる視線。そのたびに胸の奥がざわつくのを、俺は誤魔化すしかなかった。……まさか、こんなかたちで二人きりになるなんて。放課後の準備室。戸を閉める音がやけに大きく響く中で、彼女は、俺の前でそっと唇を噛み締めていた。「……はじめて、だから。うまく……できるかわかんないけど……」声が震えている。けれど、その手はゆっくりと制服の裾を整え、こちらに向き直る。恥じらいと、覚悟と、少しの恐れ――全部、彼女の瞳の奥に見えた気がした。俺は言葉を失っていた。頭では「これは授業だ」「ただの実習だ」と繰り返しているのに、本能は違うものを求めてざわついていた。彼女の手が、机に置かれたノートを開く。中に書かれていたのは、見慣れた教科書とはまるで違う、‘指導内容’。息を呑む俺の隣で、彼女が静かに目を閉じた。「……一緒にやってくれる?」たったそれだけの言葉が、心の奥にしまっていた衝動に、静かに火をつけた。理性の境界が崩れていく音が、確かに聞こえた気がした。この‘授業’が終わる頃、俺たちはもう――別の関係になっている。